親知らずの抜歯

親知らずは抜いた方が良いか。

親知らずと呼ばれるものは一体なにかというと、正式には第三第臼歯という歯のことで、正常な組織なのです。しかし、現代人(特に日本人)の顎に綺麗に生え並ぶ人はかなり少なく、その結果歯茎や骨の中に完全に埋まっていたり、部分的に埋まっていたり、生えていても正しく噛み合わせていなかったりしている人がほとんどです。

その状態のままでいると、清掃不良になり、歯茎が腫れたり、痛みが出たり、虫歯になったりし、隣の健全歯にも悪影響を及ぼしてきます。​​また、親知らずが虫歯になってしまった場合、一番奥の歯なので治療器具が届きにくく、その後のメインテナンスも難しいので、治療をしても高確率で再発します。そのため、親知らずが虫歯になったら治療をせずに抜歯をするというケースも多くあります。

それだけではなく、歯並びを悪化させるリスクを持っているため、必要のない(リスクの高い)歯と診断されることが多いのが現状です。

親知らずを残すメリット

歯としてしっかり機能しており、かつ清掃が行き届いている親知らずに対しては抜歯を推奨することはありません。また、長い間無症状で口腔内に悪影響を及ぼしていないと判断されるものに対しても経過観察歯として管理をします。

ごく稀に移植のためのドナー歯として保存を推奨することもあります(詳しくは自家歯牙移植のページにて)。

親知らずを抜く時期

抜歯をする時期は基本的には早いほど良いです。20代、30代が理想といえます。その理由としては、以下が挙げられます。

  • 炎症をよく起こしている歯ほど施術中および施術後の痛みや腫れが強くなる。
  • 若い方が骨が柔らかいため抜歯が早く終わりやすい(25歳から硬化が進んでいるというデータがあります)。
  • 術後の治癒のスピードや併発する後遺症の確率に差が出てくる。
  • どうせ抜くなら早い方が残りの人生の健康的な期間が長くなる。

抜歯術

親知らずの状態により大きく異なりますが、施術自体は20分から40分ほどとなります。麻酔は下顎の場合、広範囲に奏功する伝達麻酔を行うため、術中の痛みはほとんどありません。しかし、顎を開いておくのが疲れたり、物理的に押される感触などは感じることがあります。

簡単な場合には普通の歯を抜くのと同様にすぐ抜けますが、歯の大部分が骨の中に埋まっていたり、歯と骨が癒着してたり、歯の根の形が複雑だったりすると抜くのにもかなりの時間がかかります。穴が塞がるまでにはおよそ3ヶ月ほどかかりますし、基本的に抜いた後の骨は多少凹凸になります。

後遺症とリスクについては以下の通りです。

  1. 痛み:2,3日がピークで1週間程続く事があります。
  2. 腫れ:2,3日がピークで1週間程続く事があります。
  3. 麻痺:抜いた方の口角付近、口唇、舌の知覚性、運動性のマヒが出ます。
    ※症例によっては、1-6ヶ月で治ります。長引くと治るまで何年もかかります。切ってしまうと一生治りません。早めの対応も大切ですのでその際は専門医に紹介することがあります。
  4. 皮膚のあざ:2~3日ぐらいたつとあざが浮かんでくる事があります。青色になって黄色になって治っていきます。
  5. 周囲組織(歯肉や頬、喉の筋肉)の違和感:数週間で慣れてきます。

当院の特徴

当院では、埋まっている親知らずを抜歯する際はほとんどの場合CTを撮影します。上の親知らずは上顎洞という鼻腔に近かったり、下の親知らずは下顎管という神経や血管を含む重要な構造に近接していることが多いので、安全に抜歯するためには術前に解剖学的構造を確実に把握しておく必要があります。

一般の歯科医院においては、難しい抜歯は大学病院紹介になることも多いと思われますが、当院では埋伏歯のほとんどのケースにおいて、抜歯可能です。

施術も拡大ルーペを用い、侵襲を最小限とする精細な施術を行います。また術後の縫合においても丁寧で素早い縫合を強みとしており、術後の治癒は少しでも早く、そしてきれいに治るように細心の注意を払っています。

当院の特徴
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